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ECサイトを成功させるためには、商材やプラットフォームも重要ですが、どの制作会社に依頼するのかもECサイトの成否を分ける重要なポイントとなります。
とはいえ「何を基準に制作パートナーを選べばよいかわからない」という方も多いでしょう。
本記事では、ECサイトを立ち上げる際の制作パートナーの選び方と合わせて、大切なプロジェクトを失敗しないための事前準備、確認しておきたいことについて、わかりやすくご紹介します。
これからECサイトを立ち上げる予定がある方はぜひ参考にしてください。
ECサイト制作パートナーを選ぶ前の準備
ECサイトの制作パートナーを選定するには事前準備が大切です。自社のECサイトで何を達成したいのかを明確にし、それを実現するための予算や必要な機能、目標とする公開日、そしてこれらの要件を網羅したRFP(提案依頼書)の作成が重要になります。
これによって、最適な制作パートナーとプロジェクトをスムーズに進行することができます。このセクションでは、パートナー選びを始める前に必要なステップを具体的に解説します。
ECサイトの目的を明確にする
ECサイト立ち上げの基礎は、「このサイトは何を目的としているのか」という点を明確にすることです。目的は売上の向上、ブランドの認知度強化、新規顧客獲得など様々ですが、これによってサイトのデザインや必要な機能、そしてターゲットが決まります。ですから、プロジェクトをスタートする前段階で、明確な方向性を設定することが重要になります。
初期段階での目的設定は、後のサイト制作やマーケティング戦略において中心的な役割を果たします。関係者全員が目的を共有し、目標に向うことで、プロジェクトを成功へと導きます。
予算を決める
予算の策定は、サイトの制作費用だけでなく、維持、運営費やマーケティング費用も含めた全体のコストを見積もることが求められます。特に、先進的な洗練されたデザインのサイトを目指す場合、それ相応の高い費用がかかることを覚悟する必要があります。
一方、予算が限られている場合は、必要不可欠な機能に重点を置き、コストを効率的に割り振ることが大切です。
予算を決めることは、適切な制作パートナーの選択やプロジェクトのスコープを大きく左右します。そのため、現実的な予算の枠組みの中で、長期的な事業戦略を踏まえ、賢明な財務計画を立てることが重要です。
必要な機能を検討する
ECサイトでは、顧客がスムーズな購入体験を得られるよう、ユーザーインターフェースや決済方法、会員登録システム、レビュー機能など、顧客のニーズに合わせた多様な機能が必要になります。さらに、運用面を支える、商品管理や在庫管理、データ解析などの機能も重要になります。
多くの機能から必要な機能を検討する際、特に重要なのは、将来の拡張性を見据え柔軟性を持たせたシステムを構築することです。
初期段階では使用しない機能でも、ビジネスの成長に伴い必要となる可能性があるため、その予測と前段階での準備が重要になります。また、これらの機能を実装するにあたって、技術的な制約や予算、運用コストも考慮に入れる必要があり、バランスの取れた機能設計が求められます。
オープン予定日を決める
ECサイト立ち上げのスケジュール策定の第一歩は、オープン予定日の決定です。
この重要な日は、プロジェクトの各段階の作業スケジュールや宣伝活動、さらには会社全体の戦略にも直結しています。
オープン予定日を決めるにあたっては、各工程の所要時間や、品質を確かめるための十分なテスト時間、そして「余裕をもったスケジューリング」を考慮することがとても大切です。この「余裕」は、予想外の問題が起きた時にスケジュールが遅延しないようにするためのものです。
また、市場のトレンドや他社の動き、あるいは季節のイベントなどに合わせてプロモーションを行う場合も、オープン予定日の選定に大きく影響します。戦略的かつ柔軟なスケジュール設定により、プロジェクトはスムーズに進み、成功へとつながります。
要件をRFP(提案依頼書)にまとめる
事業がスムーズに進むための大切なステップに、RFP(提案依頼書)の作成があります。
この文書は、制作会社に対し、プロジェクトの目的や、実現したい内容、予算、スケジュールなど、求める条件を詳しく伝えるものです。ここでは、サイトのデザイン概要から実装したい機能、必要なサポート内容、そして制作会社を選ぶ際の基準まで、具体的な情報が盛り込まれます。
RFPの作成では、自社の目標をしっかりと定め、必要な技術的条件や望む解決策を明確に記載することが求められます。これによって、各制作会社は自社の強みやサービスを適切に反映した提案ができ、依頼する側も比較し検討しやすくなります。RFPは両者にとって理想的な関係性を築く出発点となるため、その準備はとても重要です。
また、社内で目的や具体的な内容を整理しきれておらずRFPを作成することができない場合は、その辺りの事情を伝えて課題整理やヒアリングを含めて提案してもらうとよいでしょう。
ECサイト制作パートナーの選び方5つのポイント
ECサイト運営の成功は、制作パートナーの適切な選定に大きく影響を受けます。しかし、数多くの制作会社やフリーランスが存在する中で、自社に最適なパートナーを見つけるのは容易ではありません。
このセクションでは、失敗しない制作パートナー選び、5つのポイントを解説します。これらのポイントを踏まえることで、ビジネスの目的や要望に最も適したパートナーを選ぶことができ、ECサイトの品質向上とパフォーマンスの最適化が実現できるでしょう。
信頼できる実績や経験があるか
制作パートナーを選ぶ際の判断基準の一つとして、過去の実績や経験がどの程度信頼できるかを検証することは重要です。
多くの成功事例や、長期間にわたる業界での活動経験、そして顧客からの良好な評価は、パートナーとして頼れる会社であることを示しています。これらの情報は、会社のウェブサイトや評価サイト、SNSでの口コミ、または業界内での評判などを調べることができます。
信頼できる実績や経験がある制作パートナーは、その実績や経験を基に、最良の提案をしてくれるでしょう。特に、特定の業界や市場における深い理解、また技術的な知見を持つパートナーを選ぶことは、自社のビジネスの成長に大きな影響をもたらしてくれます。
見積価格に妥当性があり予算内に収まっているか
ECサイトの制作パートナーを選ぶ際、見積価格は重要な判断材料となります。ただし、最も安い見積価格の提案や、最も高額な提案が、常に最適とは限りません。
重要なのは、提案された価格が、サービスの質やサービス範囲に対して適切か、そして予算内に収まっているかです。
これを判断するためには、複数の会社から見積もりを取り、サービス内容と価格を徹底的に比較検討することが求められます。
見積もりを比較する際には、単に価格だけを見るのではなく、含まれるサービス、サポートの範囲、維持管理の体制、そして最終的なプロダクトの品質など、全ての要素を総合的に評価することが不可欠です。
もし見積もりが予算を超える場合は、その理由を具体的に尋ね、コストに見合った価値が確実に得られるかどうかを検証する必要があります。そうすることで、予算内で最も適切な価格とサービスのバランスを提供する制作パートナーを見極めることができるでしょう。
提案内容は自社の目的や要望に合っているか
ECサイトの成功は、機能やデザインだけでなく、提案内容がビジネスの目的にどれだけ適合しているかに影響を受けます。制作パートナーが提案する内容が、自社の目標や市場でのポジショニング、ターゲットのニーズに合致しなければ、いくら技術的に優れたサイトであってもその価値は半減してしまいます。
提案を評価する際には、自社の要望をしっかりと伝え、それに基づいた提案がなされているかを確認する必要があります。
また、制作パートナーには、競合他社との差別化のポイントや、顧客を引きつける要素がどれだけ盛り込まれているかも解説してもらいましょう。技術的な面だけでなく、マーケティング戦略やコンテンツ制作における視点も含め、トータルでサイトの効果を最大限に高める提案をしてもらいましょう。
公開後の運用サポートは充実しているか
ECサイトの継続的な成長には、公開後のサポートが不可欠です。選ぶべき制作パートナーは、技術的なトラブルシューティングだけでなく、利用者の声に応える柔軟性も備えている必要があります。
サポート内容は、システムの維持管理から、ユーザーエクスペリエンスの改善提案に至るまで多岐にわたります。
特に、緊急時の対応力はサイトの信頼性を左右する重要なポイントです。契約前に、サポートの範囲や期間、対応の速さを確認し、自社のニーズに合ったサービスを提供するパートナーを選びましょう。そうすることで、サイトが長期間、安定して運用できる基盤を築くことができます。
担当者とのコミュニケーションにストレスはないか
ECサイト制作の成功は、スムーズな人間関係によってもたらされます。制作パートナーとの円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの流れをスムーズにし、期待する結果へと導きます。良好な関係性は、問題発生時の迅速な解決に繋がり、プロジェクトの遅延を防ぎます。
重要なのは、初期段階でのコミュニケーションの質の確認です。担当者が明確なフィードバックをし、変更点に対して迅速に対応するかどうかは、ストレスフリーで作業を進める上で不可欠です。この質がプロジェクトの進行を左右するため、パートナー選びの際は十分に確認する必要があります。
ECサイト制作パートナーの種類と特徴
WEB制作会社は大手制作会社から中小規模の制作会社、さらにはフリーランスに至るまで、多岐にわたります。
大手には豊富なリソースと広範な経験が期待できますが、中小規模会社やフリーランスは、よりパーソナルな対応やコスト面でのメリットが見込まれます。
このセクションでは、各制作パートナーの特徴や提供する価値、サービスの質やコストパフォーマンス、対応の迅速さなど、重要なポイントを解説していきます。
それぞれの特性を理解することで、あなたのプロジェクトに最適なパートナーを見極めるための基準が得られるでしょう。
大手制作会社
大手制作会社は、安心感とリソースの豊富さが魅力です。彼らの経験は多岐にわたり、複雑な要求にも対応可能ですが、それに伴いコストが高くなる傾向があります。
一方で、高品質なサービス提供の背景には、スタンダードな手法への依存があり、特定の要望に対する柔軟性に欠ける場合がある点に留意が必要です。また、大手は多くの案件を抱えるため、専任の担当者が常時対応できない場合もあることも理解しておきましょう。
これらの側面を考慮して、予算とプロジェクトのニーズに照らし合わせて選択することが肝心です。
中小規模の制作会社
中小規模の制作会社は、柔軟性が魅力です。彼らはクライアントとの距離が近く、プロジェクトへの対応がよりパーソナライズされる傾向にあります。これは、特定の要望や細かな調整がしやすい環境を意味します。また、費用対効果に優れており、限られた予算でもクオリティの高い成果を期待できる場合が多いです。
しかし、大手に比べ規模が小さいため、リソースや専門性に限りがあることもあります。大規模なプロジェクトや多様な技術を要する複雑な案件に対応する能力は、大手に比べると劣る場合もあります。そのため、プロジェクトの規模感や要求される技術的要素を考慮し、制作会社の実績や専門領域を確認することが重要です。
中小規模の制作会社を選ぶ際は、プロジェクトのニーズと彼らの能力がどれだけマッチしているかを慎重に検討する必要があります。
フリーランス
フリーランスの制作パートナーは、個々の専門性が光る選択肢です。彼らは自由な働き方をしているため、一対一で密なコミュニケーションを取ることができ、プロジェクトの細部にまで気を配ることが可能です。特に、独自性や創造性を重視するプロジェクトには、彼らの個性と専門スキルが生きる場面が多いです。
しかしながら、フリーランスは一人で多くの業務をこなすため、プロジェクトの規模が大きくなると対応しきれない場合があります。また、緊急時のリスク対応や多様なスキルセットを必要とする作業については、制限があることを理解しておく必要があります。
フリーランスを有効な戦力として活用するためには、適切な進行管理ができる社内のディレクターの存在が重要になるでしょう。
フリーランスとの仕事では、その専門性を最大限に活かしつつ、プロジェクトのスケールや緊急時のサポート体制について事前の確認が不可欠です。また、契約時には作業の範囲や納期、対応可能な作業内容の明確化をお勧めします。
ECサイト制作パートナーを決める前に確認しておきたいこと
パートナー選びは、ただ信頼できる会社を選ぶだけでは終わりません。契約を交わす前に、確実に把握しておくべき要点がいくつかあります。これから挙げるポイントを事前に確認することで、予期せぬトラブルを避け、スムーズなプロジェクト進行ができます。それでは、どのような点を確認すべきか、一つ一つ見ていきましょう。
ECプラットフォームと構築方法
ECプラットフォームの選定は、運用のしやすさや将来の拡張性に直結します。多様なECプラットフォームから、自社に適したものを判断するには、市場のトレンド理解と、予算に見合ったカスタマイズ性を確認することが重要です。
さらに、構築方法も影響します。自社制作するか、パートナーに委託するかで、コスト、スケジュール、品質管理のアプローチが異なります。自社制作には技術と人員が求められる一方で、コントロールのしやすさがメリットです。外部委託する際には、技術的な強みを持つパートナーの選定が不可欠です。ビジネスニーズに応じた選択は、プロジェクトの成功に直結します。
見積りの内訳や前提条件
見積もりは、プロジェクトの予算策定や進行においてとても重要です。見積もりを受け取った際、単に総額を確認するだけでなく、その内訳を細かくチェックすることが求められます。どの作業にどれくらいのコストがかかっているのか、追加費用は発生する可能性があるのか、といった点を明確にしておくといいでしょう。
また、見積もりには前提条件が含まれていることが多く、これが変更されると費用も変動します。例えば、デザインの修正回数、コンテンツの更新頻度、サーバーのメンテナンス範囲など、具体的な作業内容とその範囲をしっかり理解し、自社の要望に合致しているかを確認しましょう。
見積もりの確認は、予期せぬ追加費用に悩まされることを防ぎ、スムーズなプロジェクト進行をサポートします。この段階での丁寧な確認作業が、後のトラブルを避けるためのカギとなります。
納品日とオープン予定日
プロジェクトを進行させる上で、納品日とオープン予定日は欠かせない要素です。
納品日は、制作会社が作業を完了しクライアントに成果物を提供する日です。
オープン予定日は、サイトが公開される予定の日です。これらはプロジェクトのタイムライン上で重要なマイルストーンとなります。
現実的な納品日の設定は、予期せぬ遅延を防ぎ、品質を確保するために不可欠です。これには、テストやフィードバックの時間も含め、余裕をもったスケジューリングが求められます。
また、オープン予定日はマーケティング戦略と密接に関わってきます。そのため、納品日とオープン予定日の間には適切な期間を設け、効果的なプロモーション活動や最終確認作業に充てることが大切です。
検収方法や検収条件
検収とは、制作されたサイトが納品時に要件や期待値に合致しているかを確認する段階です。このステップでは、予め定められた検収条件に基づいてサイトの機能やデザインを詳細にチェックします。
効果的な検収を行うためには、事前に検収条件や基準を明確にしておくことが大切です。一般的には、サイトの動作確認やデザインのチェックリスト、さらにはサイトのレスポンシブ性やセキュリティに関する評価基準などが含まれます。
また、検収時に問題が見つかった場合の対応策や修正フローも事前に明確にしておくと、スムーズなプロジェクト進行に繋がります。検収のプロセスは、制作会社とクライアント双方の理解と協力が必要な作業であり、成功の鍵となります。
運用マニュアル提供の有無
運用マニュアルには、サイトの更新方法やトラブルシューティング、日常的な管理タスクなど、サイト運営に関わる詳細な手順が記載されています。
制作パートナーによっては、このマニュアルを提供していない場合もありますので、契約前に確認することが重要です。マニュアルが提供されている場合、それがわかりやすい形式で、実際の運用に役立つ内容かどうかを確かめることも大切です。
サイトの運用が初めての企業や担当者にとって、運用マニュアルはサポートツールとしての価値が高く、適切な指南書があれば、効率的かつ安定したサイト運営ができます。運用マニュアルの有無や内容は、長期的なサイト運用を考慮する際の大きなポイントとなります。
公開後の修正やサポートの無償対応期間
サイトが公開された後も、予期せぬ問題や改善点が見つかることがあります。その際の修正作業やサポート体制が、制作パートナーによってどのように提供されるのかは、非常に重要な選定ポイントとなります。
多くの制作会社は、サイト公開後に一定期間、無償でのサポートや修正対応を行うことが一般的です。この無償対応期間は、契約時に明確にすることが望ましいです。また、期間終了後の有償サポートや、その費用も事前に確認しておくと安心です。
無償対応期間中に見つかる問題の大半は、公開前のテスト段階では見逃してしまうような小さなものであることが多いですが、それでも迅速に対応してもらえることで、ユーザー体験の向上やブランドイメージの維持が期待できます。適切なサポート体制は、サイトの成功に直結する要素の一つといえるでしょう。
まとめ
今回はECサイトの制作パートナーの選び方や事前準備、確認しておきたいことについてご紹介しました。ECサイト制作は、通常のウェブサイトと比べると考慮すべき点が多いため、初めてECサイト制作を担当される方にとっては、ややハードルが高いと感じることもあるかもしれません。
これからECサイトの立ち上げを検討している方にとって、本記事でご紹介した内容が少しでも参考になれば幸いです。
弊社では、企業サイトや採用サイトの制作、WordPress構築、shopifyを活用したECサイト構築を得意としています。ホームページ制作やリニューアル、サイト運用に関する無料相談を承っていますのでお気軽にご相談ください。
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