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新型コロナウイルス感染症の影響で経済社会は大きく変化し、事業者の中にはオンライン化や革新的な取り組みを始めた方も多いかと思います。
「ものづくり補助金」は革新的な新規事業、開発に対する設備投資が主な補助ですが、ホームページ制作にも利用でき、多くの採択事例があります。

そこで今回は「ものづくり補助金」の概要から注意点まで、ホームページ制作に関わることをわかりやすくご紹介したいと思います。

ものづくり補助金とは?

「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、主に中小企業や小規模事業者などの革新的な新商品開発やサービス開発、新たな生産方式の導入、新たな提供方式の導入などのための設備投資を支援する補助金制度です。

2020年3月10日(火)に公募が開始されて以来、年に4回程度、公募が行われています。現在18次公募まで行われており、以後、切れ目なく公募が実施される予定です。

最新の情報は公式サイトでご確認ください。

参考:ものづくり補助金総合サイト

ホームページ制作に活用できる、ものづくり補助金の概要

ホームページ制作に利用できる「ものづくり補助金」ですが、補助の対象となるには条件を満たす必要があります。また、11の補助対象となる経費が用意されていますが、申請内容によっては、対象外であったり、補助率も異なってきます。

以下、概要をホームページ制作に関するものを中心にご説明していきます。
各項目の詳細については公式サイトの最新の公募要項よりご確認ください。

参考:ものづくり補助金総合サイト|公募要項

補助金の対象者

補助金の対象となるのは、日本国内に本社および補助事業を実施する場所がある中小企業、および個人事業主を含む小規模事業者になります。

ただし、グローバル市場開拓枠①海外直接投資類型は、事業実施場所が日本国内だけてなく、海外にもあることが必須です。

対象業種は幅広いですが、資本金や従業員数、該当する組織など、それぞれに詳細が定められています。

補助金の申請要件

申請者全てに共通する申請要件は、補助事業実施期間内に発注〜納入〜検収〜支払いなどの全てが完了すること。また、以下の基本要件を満たす必要があります。

下記1〜3の要件をすべて満たす3〜5年の事業計画を策定すること。

  1. 事業計画期間において、年率平均3%以上の事業者全体の付加価値額(*1) を増加
  2. 事業計画期間において、年率平均1.5%以上給与支給総額(*2) を増加
  3. 事業計画期間において、地域別最低賃金+30円以上の水準に最低賃金を設定

*1 付加価値額:営業利益+人件費+減価償却費
*2 給与支給総額:役員および全従業員(非常勤を含む)に支払った福利厚生費、法定福利費、退職金を除いた給与(給料、賃金、賞与および役員報酬など含む)

補助金の対象経費

対象経費は、補助事業に関する経費として明確に区別でき、必要性や金額の妥当性が証拠書類によって提出できる必要があります。また、対象となる経費は、交付決定を受けた日付以降に発注〜補助事業実施期間内に支払いが完了したものに限ります。

  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 海外旅費(グローバル市場開拓枠のみ)
  • 通訳・翻訳費(グローバル市場開拓枠②海外市場開拓(JAPANブランド類型)のみ)
  • 広告宣伝・販売促進費(グローバル市場開拓枠②海外市場開拓(JAPANブランド類型)のみ)

上記の経費一覧のうち「ものづくり補助金」を利用したホームページ制作は、主に「機械装置・システム構築費」として申請することが多いですが、単価50万円(税抜)以上の設備投資を行うことが必須条件となっているため注意が必要です。

他に「技術導入費」「専門家経費」「クラウドサービス利用費」「外注費」なども対象経費として該当しますが、「技術導入費」に関しては上限額が補助対象経費総額(税抜)の1/3となり、「外注費」「専門家経費」は1/2となります。

また、「通訳・翻訳費」や「広告宣伝・販売促進費」もホームページ制作関連の経費として申請できそうですが、対象となる類型が限られているため確認が必要です。

ものづくり補助金でホームページ制作する際の注意点

ホームページに関する制作費も補助の対象となる「ものづくり補助金」ですが、補助金事業の目的にそった申請でなければ採択されることは難しいでしょう。

以下、気をつけたいポイントをいくつかご紹介します。

審査におけるポイント

申請内容は、主に3つの観点から審査されますが、特に技術面、事業化面を中心に審査されます。なお配点の詳細は非公開となっています。

  • 技術面
    • 革新な取り組み
    • 課題、目標の明確さ
    • 課題解決方法の優位性
    • 技術的能力
  • 事業化面
    • 事業実施の体制
    • 市場ニーズの有無
    • 事業化までのスケジュールの妥当性
    • 補助事業の費用対効果
  • 政策面
    • 地域経済への波及効果
    • ニッチトップとなる潜在性
    • 事業連係性
    • イノベーション性
    • 事業環境の変化に対応する投資内容

多くの採択事例があるホームページ制作ですが、上記の審査ポイントからもわかるとおり、企業の広報目的のホームページ制作のみでは申請は通りません。

例えば、あらゆる人が利用できる機能を有したユニバーサルデザインのホームページ制作や、自社製品の販路拡大、効率化のためのECサイト制作など、課題解決や事業の目的が明確であり、革新的である必要があります。

広告宣伝・販売促進費について

対象経費の「広告宣伝・販売促進費」は、グローバル市場開拓枠の②海外市場開拓(JAPANブランド)類型からしか申請できません。

以前は低感染リスク型ビジネス枠(現在は終了しています)からでも申請できていた「広告宣伝・販売促進費」ですが、現在は海外展開に必要な広告のみに対象が絞られていますので注意が必要です。

機械装置・システム構築費について

「機械装置・システム構築費」として経費を申請する場合は、単価50万円(税抜)以上の設備投資が必須条件。

ホームページ制作関連の経費を「機械装置・システム構築費」として申請する場合は、単価50万円(税抜)以上の設備投資が伴っている必要がありますので、設備投資の伴わないホームページ制作の場合は、別の対象経費として申請できないか検討してみましょう。

ホームページ制作が対象となる補助金は他にもある?

今回は、ホームページ制作も補助の対象となる「ものづくり補助金」についてご説明しましたが、他にも「小規模事業者持続化補助金」や「事業再構築補助金」など、ホームページ制作に活用できる補助金がいくつかあります。

いずれも対象や補助限度額、要件などは違いますが、事業の成長につながる制度であることは共通しています。まずは、ご自身の事業規模や事業計画にあった補助金制度をみつけることからはじめてみてはいかがでしょうか。

ホームページ制作に活用できるその他の補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

また、東京都では市区町村が独自に補助事業を実施しているケースがあります。
公募期間が短く意外と知られてものも多いため、自社で活用できる補助金があるかどうか一度確認されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、ホームページ制作にも利用できる「ものづくり補助金」をご紹介しました。
新規事業の事業計画策定と同時にご自身の事業計画にはどの補助金制度が適しているのか、検討してみてはいかがでしょうか。

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