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新型コロナウイルス感染症の影響で社会が大きく変化し、多くの事業者がオンライン事業への転換や新たな市場への挑戦を行っています。これから事業再編や転換を目指す上で、ホームページやECサイトのより積極的な活用が不可欠です。

そこで、今回はホームページ制作にも利用できる「事業再構築補助金」を取り上げ、対象となる事業者や経費、注意点などをわかりやすく説明したいと思います。

事業再構築補助金とは?

「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の長期化で売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築や新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換を支援する補助金制度です。

2021年3月に第1回の公募が開始され、以来2〜3ヶ月毎に新規に募集がかけられています。最新の公募内容は「事業再構築補助金」公式サイトでご確認ください。

参考:事業再構築補助金(公式サイト)

ホームページ制作に活用できる事業再構築補助金の概要

ホームページ制作に利用できる「事業再構築補助金」ですが、補助の対象となるには条件を満たす必要があります。また、補助対象となる経費の詳細をよく確認して事業計画を策定しましょう。

補助金の対象者

「事業再構築補助金」は、コロナの影響で厳しい状況にある中小企業や中堅企業、個人事業主向けの補助金です。申請する枠によって要件が異なり、それぞれに確認が必要です。
以下、2つの要件は全ての申請に共通して必須です。

認定経営革新等支援機関から事業計画の確認を受ける

「事業再構築指針」に沿った事業計画を事業者自身で作成して認定経営革新等支援機関の確認を受ける必要があります。

3,000万円(補助金額)を超える案件の場合、銀行、信金、投資信託など金融機関の確認も必要です。但し認定経営革新等支援機関を兼ねる金融機関の場合は、確認は金融機関のみで大丈夫です。

付加価値額を向上させる

補助事業の終了後、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 3〜5年で付加価値額の年率平均:3.0% 〜 5.0%(申請枠ごとに年率は異なる)以上の増加
  • 従業員1人あたり付加価値額の年率平均:3.0% ~ 5.0%(申請枠ごとに年率は異なる)以上の増加

上記の共有要件の他は申請枠により詳細が異なりますので公式サイトをご確認ください。
また、これらの要件は「事業再構築補助金」の公募開始日の時点で満たしている必要があります。

参考:事業再構築補助金|必須申請要件(公式サイト)

補助金の対象経費

補助の対象となる経費は、「事業再構築補助金」の目的でもある事業拡大につながる投資(有形、無形)のためであり、それ以外の経費と明確に区別する必要があります。

また、金額の妥当性や必要性も証拠書類によって明確に提示する必要があります。
以下、経費の一覧になります。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費
  • 廃業費

ホームページ制作に関わるものは、主に以下があげられます。

技術導入費

知的財産権などの導入に要する経費が対象となります。
一般的には、特許権、意匠権、著作権、商標権などに関する権利が該当します。
専門家経費、外注費との二重申請はできません

専門家経費

コンサルや弁護士などの専門家と契約する際にかかる経費が対象となります。
謝礼金には上限額があります。
技術導入費、外注費との二重申請はできません

  • 医師、弁護士、弁理士、公認会計士、大学教授:〜5万円(税抜)/ 日
  • ITコーディネータ、中小企業診断士、技術士、准教授:〜4万円(税抜)/ 日
  • 上記以外の専門家:〜2万円(税抜)/ 日

クラウドサービス利用費

shopifyやBASEなどのECプラットフォームを利用する際にかかる経費が対象となります。
対象経費として認められるものは新規事業で利用するものに限定され、他事業で利用する場合は対象外となります。また、対象となるのは補助事業実施期間中の経費のみであり、契約書や見積書などの確認書類が必要です。

クラウドサービス利用に付帯するオプションや有料アプリなども経費の対象になりますが、サーバーの購入費やパソコンやタブレット端末といった汎用性の高い機器は対象外となります。

外注費

設計・デザイン、検査などの一部を外注する場合の経費が対象となります。
外注先と書面による契約の締結が必要となります。
外注先の設備投資やシステム導入費用は対象になりません。
技術導入費、専門家経費との二重申請はできません

広告宣伝・販売促進費

補助事業に関連する広告全般が経費が対象となります。

具体的には、ウェブ広告、広告制作(パンフレット、動画など)、メディア掲載、展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行などにかかる費用です。

補助事業とは関係がない求人広告や補助事業外の広告は対象外です。
広告にかかる経費は補助事業実施期間内に使用・掲載される分のみが対象となる点にご注意ください。

経費についての詳細は公式サイトでご確認ください。

参考:よくあるご質問 | 事業再構築補助金(公式サイト)

事業再構築補助金の注意点

ホームページ制作費を含めて、幅広く補助の対象となる「事業再構築補助金」ですが、注意するポイントがあります。いくつかピックアップしてご紹介します。

ホームページの制作費のみの申請は不可

「事業再構築補助金」の目的は、事業再構築や新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換を目指す中小企業を後押しすることです。

事業拡大の計画の中でホームページを制作を行う有用性、妥当性が充分に認められなければ経費として認められません。

販路拡大のためのECサイト構築は対象外

クラウドサービスを利用したECサイトの構築やランニングコストも補助事業実施期間内であれば経費の対象となります。

ですが、ただECサイト構築して販路拡大を行うだけでは「事業再構築指針」の要件を満たさないため、経費として認められません。

例えば、オンライン販売を行っておらず実店舗のみで商売していた小売店が、新分野展開や業態転換伴って新しくEC事業を始める場合には、ECサイト構築費用などの一部を補助金として認められます。
「事業再構築指針」をよく理解した上で事業計画を策定してください。

新規事業に関わる求人広告でも対象外

広告宣伝・販売促進費は、補助事業に関連する広告制作や市場調査などに対して補助するものであり、新規事業に関する求人広告は対象外となります。

補助金の交付決定前に補助事業を開始した場合は対象外

交付決定前に補助事業を開始した場合は、原則として補助金の交付対象外となります。

ですが、「物価高騰対策、回復再生応援枠」「最低賃金枠」に申請する事業者は、早期の事業再構築が必要とされるため、補助金の交付決定前でも事務局から「事前着手届出」が受理された場合は、補助の対象経費とすることができます。

「事前着手届出」が受理されたからといって、補助金交付を約束するものではありませんので注意が必要です。また、指定の期日以前に行われた購入契約(発注)については、認められませんので、詳細は公式サイトでよくご確認ください。

補助金の支払いは、原則として補助金額の確定後の精算払い

補助金の支払いは、原則として補助事業終了後に、補助事業実績報告書の提出をして、補助金額の確定後に精算払いとなります。

また、一定の条件のもとでは概算払いも可能になりますが、概算払いを受けた後に補助事業を廃止した場合は全額返納になります。

ホームページ制作が対象となる補助金は他にもある?

今回は、ホームページ制作も補助の対象となる「事業再構築補助金」についてご説明しましたが、他にも「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」など、ホームページ制作に活用できる補助金がいくつかあります。

いずれも対象や補助限度額、要件などは違いますが、事業の成長につながる制度であることは共通しています。まずは、ご自身の事業規模や事業計画にあった補助金制度をみつけることからはじめてみてはいかがでしょうか。

ホームページ制作に活用できるその他の補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

この記事では、ホームページ制作にも利用できる「事業再構築補助金」をご紹介しました。新しい事業を始める際に、ホームページやECサイトを活用することを検討している方や「事業再構築補助金」の利用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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