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『ECサイトで思ったような売上が上がらない…』とお悩みの方は多いのではないでしょうか?売上が上がらない原因は一体どこにあるのでしょうか?
TOPページやカテゴリ一覧ページも重要ですが、ECサイトの売上に最も大きな影響を与えているのは商品ページです。
売上を上げるためには商品ページが最も重要なページなのです。
本記事では商品ページの購入率を上げる10のポイントを紹介します。
ECサイトを運営している方はもちろん、これからECサイトを始めようと検討している方にとって少しでも参考になれば幸いです。
商品ページの重要性について
ECサイトの売上は、以下のような方程式で導き出すことができます。
「訪問数」×「購入率」×「客単価」=ECサイトの売上
ECサイトにおける商品ページは、上記の要素のうち「購入率」と「客単価」を左右する最も重要度の高いページです。
そのため商品ページのクオリティがユーザーの購入判断に大きな影響を与えるとともに、ECサイト全体の売上に大きく関わってきます。
どのような商品であれ、売れる商品ページには以下の要素が必要不可欠であると考えます。
- わかりやすいキャッチコピーや商品説明
- 商品の魅力を伝えるための画像
- 購入までのスムーズな導線設計
商品の魅力をわかりやすく伝えるためのキャッチコピーや洗練されたデザインはユーザーにとって購入の後押しとなるでしょう。
ユーザーの迷いや不安要素を解消するような様々な工夫も必要となるでしょう。
売れる商品ページを作成するには、売上の方程式を理解した上で基本となるポイントを押さえてひとつずつ着実に取り組むことが大切です。
売上の方程式や売上アップに必要な要素については以下記事で詳しく解説しています。
売れる商品ページを作成する前に準備すべきこと
ECサイトで売れる商品ページを作成するためには事前準備が大切です。
ここでは商品ページを作り込む前段階として検討すべき内容について解説します。
ターゲット設定
ECサイトの商品ページを作成する上で、「誰に商品を買ってもらいたいのか」という理想の顧客像=ターゲットを明確に設定することは非常に重要です。
ターゲットをできるだけ明確にすることで、ターゲットに合わせた効果的なデザインやキャッチコピーを作成することが可能となります。
競合調査
購入に至る過程において、ほとんどのユーザーは商品やサービスの比較検討を行います。
比較する際にユーザーが見るのは商品ページとなります。価格やスペックに大きな差がない場合、決め手となるのは商品ページのクオリティです。
自社のライバルとなる競合サイトの商品ページはどのような構成になっているでしょうか。競合と比較した際に自社商品の優位性が明確に表現できているか確認しましょう。
- 何を一番の訴求軸としているのか(品質・素材・価格)
- キャッチコピーや商品説明
- 商品画像の美しさや掲載点数
- スマートフォンでの操作性
- 商品を購入するまでの導線
- 送料は無料かどうか
- 出荷までの日数
- クーポンは使えるかどうか
上記のような点を踏まえた上で、競合を上回る内容で商品ページを作成できれば、比較された際にユーザーに選ばれる可能性が高くなります。
全てを凌駕することは難しいかもしれませんが、競合他社の商品ページを研究することで、差別化のポイントを作り、ユーザーに選ばれる商品ページを作成することができます。
商品マスタの作成
ECサイトを構築する際はサイトに掲載する商品データを登録する必要があります。
商品点数が少ない場合はそれほど大変な作業ではありませんが、1000点を超えるような商品を扱うショップの場合はそれなりに時間を要する作業となります。
ECサイトに掲載する商品情報は商品マスタを作成してデータ管理することをおすすめします。商品マスタとは、商品名や価格、バリエーションや型番などのSKU、在庫数などの商品情報をまとめたデータのことです。
商品マスタはExcelやGoogleスプレッドシートを利用して作成するのが一般的です。ECサイトを構築する際は、商品マスタを基に商品データ登録を行うことになるため、商品スペックや入力情報に漏れや誤りがないか、複数人でチェックするようにしましょう。
ECサイトを運営していく中で、新商品の追加や変更を行うケースもあるかと思いますが、商品マスタを常に最新の状態で保持するために管理者を決めておくことも健全なECサイトの運営には欠かせません。
売れる商品ページを作成するためには、適切な情報管理も大切な要素です。
商品ページの購入率を上げる10のポイント
ここからは、売れる商品ページを作成するために必要なポイントについて具体的に解説していきます。ここで挙げるものは一部になりますが、これらのポイントを押さえることで、ECサイトの商品ページの購入率を確実に改善することができるでしょう。
これからECサイトを始める方も、既にECサイトを運営している方もぜひ参考にしてください。
ファーストビューでユーザーを惹きつける
ファーストビューとは、ユーザーがページを開いた際にスクロールせずに最初に見える画面領域のことです。デバイスや端末の画面解像度によってファーストビューは変わります。
サイトを訪れたユーザーは3秒以内に自分にとって必要な情報か否かを判断すると言われています。この3秒という時間をページを開いてファーストビューが表示される時間とした場合、ユーザーにとって欲しい情報が見つからないと判断された場合は即離脱につながることとなります。
商品ページの購入率を上げるためには、ファーストビューで以下の要素が見えていることが望ましいとされています。
- 商品の魅力を最大限に表現したメイン画像
- 商品名や特徴を伝えるキャッチコピー
- 商品価格
- 購入ボタン
ファーストビューのクオリティはユーザーのその後の行動に大きくに影響するため、ユーザーを惹きつける魅力的なファーストビューを作成しましょう。
商品ページの設計を行うにあたり、優れた競合サイトの商品ページを研究してみるものよいでしょう。
回遊性を高める
ユーザーがサイトのTOPページや商品ページを訪れた際に期待していた内容と違っていた場合、ユーザーが次に取る行動はどのようなものになるでしょうか?
サイト内で別の商品を探してくれればよいのですが、サイト内を回遊するための適切なナビゲーションが用意されていなければユーザーは離脱してしまいます。
以下のような導線が用意されているか確認しましょう。
- 全カテゴリが見れる一覧ページへのリンク
- カテゴリごとに整理されたメニュー
- 用途ごとに整理されたメニュー
- パンくずリスト
- サイト内検索(商品検索)
- 一覧ページでの絞り込み検索や並び替え機能
- 人気商品ランキング
- おすすめ商品
- 関連商品
- 閲覧履歴(最近チェックした商品)
ユーザーにとって探しやすいページ設計を心掛けることで、回遊性が高まりより多くの商品を見てもらえるようになります。
商品画像のクオリティーにこだわる
商品画像はECサイトにおいて売り上げを左右する重要な要素です。
画像は文字の7倍の情報量があると言われており、商品画像はユーザーにとって購入を判断するための重要なポイントとなります。
商品画像は以下のポイントを押さえて作成しましょう。
- 商品全体がわかる写真
- 様々なアングルの写真
- サイズ感がわかる写真
- 質感がわかる写真
- 実際の使用感がわかる写真
- モデルを使ったイメージ写真
また、商品画像は白い背景で作成すると見栄えが良く、正確な色味が伝わりやすくなります。画像の加工や二次利用もしやすくなります。
これらのポイントを意識して商品画像を作成することで、商品の魅力を引き出し、訴求力の高い商品ページを作成することができるでしょう。
動画コンテンツを活用する
動画は文字の5000倍の情報量があると言われています。
商品の魅力を伝えるために画像よりも動画の方がよい場合があります。
例えば、使い方が複雑な商品や組み立てが必要な場合は解説動画があることでユーザーに安心感を与えることができます。
また商品の魅力を伝えるためのイメージムービーは商品の購入を検討しているユーザーにとっては有力なコンテンツとなります。
動画の再生時間は一般的にはTVCMと同じように15秒か30秒程度が目安とされています。動画コンテンツは用意するのに手間がかかりますが、商品ページに魅力的な動画コンテンツを掲載することができれば、競合との差別化にもつながります。
魅力的なキャッチコピーでユーザーの心を掴む
商品の魅力をユーザーにわかりやすく伝えるための手段として、キャッチコピーは重要な役割を果たします。
キャッチコピーは以下のようなポイントを意識して作成しましょう。
- ターゲットを明確にする
- 伝えたいことはシンプルにわかりやすく
- ユーザーが得る具体的なベネフィットを書く
- 数字を入れる(○○ランキング1位、リピート率90% 等)
- 専門性や権威づけで信頼を得る(○○がおすすめ、○○受賞、売上No1 等)
商品やサービスによって伝えるべき内容は変わりますが、ユーザーの心を掴む魅力的なキャッチコピーを作成することを心掛けましょう。
購入ボタンの最適化
商品の購入を検討しているユーザーにとって、購入ボタンをクリックすることは一大イベントです。商品を比較検討して購入に至る判断を下すまでには様々な要因の積み重ねがあります。
いくら商品に興味があるとしても、予算やタイミングなど買わない理由を探して購入を思いとどまるのがユーザー心理というものです。
購入ボタンをクリックしてもらうための後押しとして、以下のようなポイントを意識して購入ボタンを最適化しましょう。
- 全ての商品ページで同じ場所に配置する
- 金額のなるべく近くに配置する
- 購入ボタンと通常ボタンのデザインは明確に分ける
- クリックできることがわかる目立つデザイン(色・形状・大きさ)にする
- マウスホバー時にアニメーションを付ける
- ボタンにアイコンを付ける
- ボタンのラベルはアクションを促すものにする
- マイクロコピーを添える
いくつか補足すると、ボタンのラベルは「資料請求」よりも「資料請求する」のように能動的なラベルにした方がクリックされやすくなります。
また「購入する」よりも「カートに入れる」といった文言にすることで、ユーザーの心理的ハードルを下げてクリックしてもらいやすくなります。
マイクロコピーとは、購入ボタンのすぐ近くに添える短いコピーのことです。
「今だけ!〇〇プレゼント」や「〇〇日間の無料体験中はいつでもキャンセル可能」といったような、インセンティブや不安解消要素をユーザーに提示することでクリックしてもらいやすくなります。
ネットでの買い物は実店舗と違ってお互い顔が見えないからこそ、ユーザーにとっての不安要素を少しでも解消できるような工夫をすることで購入率を上げることができるのです。
出荷予定日を記載する
ECサイトでは、商品の到着日に関するお問い合わせが数多く寄せられます。
購入意欲が高いユーザーにとって、出荷予定日の記載有無は購入判断に大きく影響します。
- 急いでいるので当日出荷が可能か知りたい
- 週末の予定に合わせて届くのか知りたい
- ○○記念日に合わせて手配可能か知りたい
このようなユーザーのニーズに対して出荷予定日の記載がない場合、いつ商品が届くのかがわからずユーザーに不安を感じさせることになるため、商品を購入することなく離脱してしまう可能性があります。
「本日15時までに注文いただくと、○月○日に出荷予定です」といったように出荷予定日を記載することでユーザーに安心感を与えて、購入機会のロスを減らすことができるでしょう。
商品レビューを導入する
商品ページにおける商品レビュー(お客様の声)は、ユーザーが商品の購入を判断する際の重要な要素です。商品レビューを設置する際に知っておきたい点として、レビュー数が少ない商品ページよりレビュー数が多い商品ページの方が購入率が高いということです。
仮に同じ商品を取り扱っている競合と比べて自社サイトのレビュー数が少ない場合、ユーザーに比較された場合に競合に流れてしまう可能性があります。
レビュー数はただ待っていても中々増えていかないため、より多くのユーザーにレビューを書いてもらえるようインセンティブを用意して、ユーザーにレビュー評価を促しましょう。
- 購入完了画面でレビューを依頼をする
- 購入完了後のフォローメールでレビューを依頼をする
- レビューキャンペーンを実施する(クーポンなどの特典付与)
一方で多くのレビューが集まるとネガティブな評価をされることもあるでしょう。
ネガティブな評価に対しては改善点を見つけるための機会と捉えて誠実な対応を心掛けるようにしましょう。
アップセル・クロスセル戦略
アップセルは、顧客が検討している商品のより高額な上位モデルの商品を提案して購入してもらう手法です。クロスセルは、関連商品やセット販売を提案する手法です。
いずれも顧客の購入単価を上げて売上アップを図ることを目的とした手法となります。
商品ページでは以下のような形式で運用することができます。
また購入後のフォローメールなどでオファーを出すことも有効です。
- おすすめ商品を提案する
- よく一緒に購入されている商品を提案する
- 関連商品を提案する
- 商品のスペック比較表を掲載する
アップセルやクロスセルは売上アップのための有効な手法となりますが、長期的な目線で顧客の信頼を得るためには、自社の利益を優先することなく、顧客のメリットを最優先にするという意識で運用することが大切です。
スマートフォン最適化
総務省の令和4年の調査によると、スマートフォン保有率(世帯ベース)は約90%となっています。またECサイトで商品を購入する際に利用されるデバイスは、スマートフォンが約80%を占めるという結果が報告されています。
このような状況を考慮すると、スマートフォン向けに最適化された商品ページを作成することはもはや必須といえるでしょう。
以下のような点を押さえて商品ページを作成しましょう。
- レスポンシブデザインで作成する
- スマートフォンの操作性を考慮したメニュー設計を行う
- 画像や文字はスマートフォンで見やすいサイズにする
- 画像は圧縮して軽量化を図る
- 購入ボタンや重要なリンクはタップしやすいサイズで配置する
- スライドや開閉コンテンツを利用して要素をコンパクトに収める
スマートフォンユーザーの利便性を考慮して最適化されたデザインを行い、ユーザー体験を向上させることで購入率を改善することができます。
スマートフォン最適化については、以下のようなツールを利用することで改善すべき課題を発見することができます。
参考:モバイル フレンドリー テスト – Google Search Console
参考:PageSpeed Insights
まとめ
売れる商品ページの作成にあたっては、売上の方程式を理解した上で「購入率」や「客単価」といった売上アップにつながるポイントを押さえて改善に取り組むことが大切です。
また事前準備として紹介した「ターゲット設定」や「競合調査」については、これからECサイトを始めようと考えている場合は時間をかけてしっかり準備することをおすすめします。
商品ページの購入率を上げるポイントについて、本記事で伝えきれなかった内容はまた別の機会に取り上げてみたいと思います。
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