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ホームページが完成するまでには様々な工程が存在します。
ホームページ制作を外注する場合、どのような流れで制作が進行していくのか気になる点も多いかと思います。たとえば制作会社に依頼する場合、何度か打ち合わせを行い要件定義などを終えた後、デザインやコーディングなどの作業を進めることになります。

これらの工程は実際に制作がスタートしてからの流れとなりますが、その前段階として依頼者は制作会社の選定を行い、発注する必要があります。どの制作会社に依頼するかによって、ホームページの完成度は大きく変わるため、依頼前の準備や制作会社の選定は非常に重要です。

そこで本記事では、ホームページ制作を依頼する際の流れや、依頼する際に必ず確認しておきたいポイントにスポットをあてて、現役のWebディレクターが詳しく解説していきます。

制作会社を選定する際のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ホームページ制作を依頼するまでの流れ

ホームページの新規開設やリニューアルを任されたウェブ担当者にとって、ホームページ制作を依頼する際の流れを正しく理解し、適切な準備を行うことは非常に重要です。

仕事における下準備の重要さを表す言葉で「段取り八分仕事二分」という格言がありますが、これはホームページ制作においても同様で、依頼前の準備次第でより完成度が高いホームページを制作できる確率が高まります。

ホームページ制作の目的を明確にする

ホームページを制作する目的は何でしょうか?
企業や店舗でそれぞれホームページに求める役割や目的は異なりますが、具体的には以下のような例が挙げられます。

  • 会社案内
  • 商品・サービス紹介
  • 商品の販売・売上アップ
  • 集客・認知拡大
  • 人材採用
  • リード獲得
  • コンバージョン獲得

目的を明確にすることで、必要なページや機能、デザインの方向性などが具体的になり、より効果的なホームページを制作することができます。

依頼内容をまとめた資料を作成する

ホームページを制作する目的を明確にしたら、次は依頼内容をまとめた資料を作成します。制作の目的やターゲット、予算、納期、さらには求める機能やデザインの方向性といった感じで、制作に関する詳細な要件をまとめた資料を作成します。このような資料はRFP(提案依頼書)と呼ばれたりもします。

RFPは制作会社に依頼する際に見積もりの精度を高め、より質の高い提案依頼を受けるために非常に重要な役割を果たします。

依頼先候補のリストアップ

次に、ホームページ制作を依頼する制作会社について調査を行い、依頼先の候補を何社かリストアップします。

一般的にはネットで検索するケースが多いかと思いますが、膨大な制作会社の中から自社に合った制作会社を探すのは時間もかかり骨の折れる作業です。あまり時間をかけずに効率的に制作会社を探したい場合はマッチングサイトを利用するのもよいでしょう。

ホームページ制作会社の選び方については以下の記事でも詳しく解説しています。

見積り・提案依頼

制作会社の候補をリストアップしたら、実際に制作会社に連絡して概算見積りを依頼します。複数の制作会社に相見積もりを依頼することで公正な判断を行いやすくなるため、必ず相見積もりを取るようにしましょう。依頼したい意中の会社を決めている場合においても、相見積もりを取ることで適正な予算相場を把握しやすくなります。

見積りを依頼する場合、RFP(提案依頼書)と合わせて自社の要望や条件を明確に伝えることで、より適切な見積もりと提案を受けることができます。

対面やオンラインでのヒアリングや提案を受けた後、正式な見積もりを依頼します。
制作会社からの追加提案がある場合は見積もりと合わせて受け取りましょう。

依頼先を決定し契約を結ぶ

提案内容と見積りをもとに、最終的に依頼先を決定します。
選定した制作会社へ正式発注する旨の連絡を行い、契約書を交わします。
案件によっては注文書と注文請書を交わすこともあります。

契約書の内容をしっかりと読み込んで、以下のような情報が明記されているか確認しましょう。不明点や疑問点がある場合は早めに確認することで、後々のトラブルを避けることができます。

  • 契約金額
  • 納期
  • 納品内容に含まれるもの
  • 納品方法
  • 納品後の修正対応
  • アフターサポート

依頼するまでの流れまとめ

ホームページ制作を制作会社に依頼するまでの流れは、一見複雑に感じるかもしれませんが、各ステップを丁寧に進めることでスムーズに制作へと進むことができます。まず最初に目的を明確にして、その目的や自社の要望をまとめたRFP(提案依頼書)を作成することが重要となります。

制作会社の選定や見積もりの妥当性の判断については、経験がない場合はやや難しく感じるかもしれません。そうした場合は、なるべく経験があるメンバーにMTGに同席してもらったり、社内のメンバーと情報を共有してより有益な判断ができるように努めましょう。

また、制作会社が決まった後はプロジェクトメンバーの顔合わせを兼ねたキックオフMTGを行うこととなります。経験が浅く制作進行や対応に不安がある場合はMTGの際に制作会社に率直に伝えてみもよいでしょう。

ホームページ制作は発注側の企業と制作会社の共同作業です。
早い段階から意思疎通を図り共通認識を深めることで、ホームページの目的や方向性に対して共感を高めることができ、プロジェクトメンバー間の認識のズレや解釈のギャップを埋めることができます。

コミュニケーションにおける些細なボタンの掛け違いや認識のズレが後々に大きな問題となるケースもあるため、制作会社とはお互いに意見しやすい風通しのよい関係性を構築することがプロジェクト成功において重要なポイントになります。

ホームページ制作依頼時に必ず確認したい6つのポイント

ホームページの制作は、自社のビジネスの成長や売上に直結する重要なプロジェクトとなります。しかし、制作依頼から制作会社を選定するまでの過程には数多くの押さえておくべきポイントが存在します。ここでは、ホームページを制作を依頼する際に注意すべきポイントをいくつか紹介します。

納期や費用の確認

制作を依頼する際、最も基本的ながらも欠かせないポイントが、納期と費用の確認です。制作会社によっては見積もりの中に含まれていない追加料金や、想定外のスケジュール遅延が発生することがあります。始めに明確な納期と、それに伴う費用の詳細をしっかりと確認し、不明点や疑問点があれば遠慮なく問い合わせることが大切です。また、途中での変更や追加が生じた場合の手続きや費用についても、予め確認しておくと安心です。

ドメインの所有権や素材データ著作権の確認

ホームページ制作を進める上で、しばしば見落とされがちなのがドメインの所有権や素材データの著作権に関する内容です。ホームページ制作後、所有権や著作権に関するトラブルが生じると、運営に大きな支障をきたすことがあります。例えば、制作会社が所有するドメインでサイトを公開してしまうと、後でそのドメインを移管する際に問題が生じる可能性があります。

また、サイト内で使用されている画像やテキスト、動画などの著作物に関しても、使用権や著作権がしっかりと明記された契約を結ぶことが重要です。これにより、後々の権利トラブルや無駄な料金発生を防ぐことができます。

納品後のアフターサポートや追加料金を確認

ホームページの制作が完了し納品された後も、運営上のトラブルや改善の必要が生じることは少なくありません。そのような際に頼りになるのが制作会社のアフターサポートです。アフターサポートの範囲や期間、そしてそれに伴う費用を事前に明確にすることで、後々のトラブルを回避することができます。特に、システムのバグ修正やセキュリティのアップデートなど、専門的な知識が求められる作業に対するサポート内容や追加料金については、事前に確認しておくとよいでしょう。

サイトのセキュリティやバックアップの確認

近年、サイバーセキュリティの問題は増大しており、ホームページのセキュリティ対策は不可欠です。制作会社がどのようなセキュリティ対策を取り入れているのか、また、万が一の際の対応策を十分に理解しておくことは必須です。例えば、不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぐためのセキュリティプラグインの導入や、SSL証明書の設定など、基本的な対策が施されているかを確認することが重要です。

さらに、データのロスやサイトのダウンタイムを防ぐためのバックアップ体制も忘れずにチェックしましょう。定期的なデータバックアップが行われているか、また、障害発生時のリストア手順や所要時間など、具体的なバックアップの取り決めを事前に理解しておくことで、万が一の際も迅速な対応が可能となります。

SEOやマーケティングへの対応確認

ホームページを制作する目的の一つは、多くのユーザーにアクセスしてもらい、ビジネスの拡大を図ることです。そのため、ホームページのSEO(検索エンジン最適化)対策やマーケティング戦略は極めて重要な要素となります。制作会社がこれらの対応をどのように行っているのか、また、その対応にどれだけの予算や期間が必要なのかを事前に確認しておくことは不可欠です。

また、SEOやマーケティングの戦略は定期的な見直しや更新が必要です。制作後のフォローアップや定期的なレポーティング、改善提案があるかどうかも合わせてチェックしましょう。特に、最新の検索エンジンのアルゴリズムの変更に柔軟に対応できるか、SNSや広告運用のサポートがあるかなど、具体的なサービス内容をしっかりと理解することで、長期的なビジネスの成功につなげることができます。

レスポンシブデザイン対応確認

現代のインターネット利用者は、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど多様なデバイスからウェブサイトを閲覧しています。この多様なデバイスに適切に対応した表示を行う「レスポンシブデザイン」は、ホームページ制作時に必ず検討すべき要素となっています。ユーザビリティやSEOの観点からも、レスポンシブデザインは欠かせない要素です。

制作会社に依頼する際、そのホームページがレスポンシブデザインに適しているかを必ず確認しましょう。また、デザインが変更されるデバイスのサイズや、特定のデバイス向けの最適化が行われているかなど、具体的な対応内容についても深く掘り下げて確認することが重要です。ユーザの利便性を向上させるため、制作会社と協力して最適なレスポンシブデザインを実現しましょう。

ホームページ制作会社を選定する際のコツ

ホームページ制作の依頼先を選定する際、膨大の制作会社の中から自社に合った最適なパートナーを見つけるのは容易ではありません。しかし、以下に挙げるポイントを確認することで、より信頼できる制作会社を見つけやすくなります。

ホームページ制作の目的が共有できているか

制作会社との最初の打ち合わせで大切なのは、ホームページ制作の目的をしっかりと共有できているかどうかを確認することです。制作会社があなたのビジネスの目的や顧客のニーズを深く理解してくれるかは、最終的な制作物の品質に直結します。意図を汲み取って目的がしっかり共有できる会社は、その後のプロセスもスムーズに進行することが期待できます。

見積り額と品質や提案内容のバランスは適切か

コストと品質は、ホームページ制作を依頼する際の大きな判断基準となります。低予算で高品質のサービスを求めるのは難しいかもしれませんが、見積もりの額と提供されるサービスや提案内容がバランス良く組み合わさっているかを確認することは必須です。高額な見積もりを提示された場合でも、その価格に見合った価値があるかどうかをしっかり確認しましょう。逆に、安価な見積もりが提示された場合、品質やサービスに問題がないかを確認することも重要です。

レスポンスの速さと質は問題ないか

制作会社とのコミュニケーションは、プロジェクトを円滑に進めるための鍵となります。レスポンスの速さや質は、その会社の対応力を示すバロメーターの一つと言えるでしょう。迅速な対応はもちろん大切ですが、それと同時に質問に対して的確な回答や提案が行われているかもチェックすべきポイントです。また、細部の質問や要望にも丁寧に対応してくれるかどうかは、納品後のアフターサポートの質を予測する手がかりとなります。

最新のテクノロジーやトレンドへの対応力は充分か

ホームページは、日々進化するテクノロジーやトレンドに柔軟に対応する必要があります。制作会社が最新の技術やデザイントレンドに精通しているか、またそれらを適切に活用しているかを確認することは非常に重要です。例えば、ウェブのアクセシビリティやユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化、SEO対策における検索エンジンのアルゴリズムの理解や最新情報のキャッチアップなど、これらの要素はサイトのパフォーマンスやユーザーからの評価に大きく影響を与えます。選択する制作会社がこれらの面での対応力を持っているかを確かめることで、将来的なサイトの拡張やリニューアルもスムーズに進行するでしょう。

依頼先候補の制作実績を確認

制作会社を選定する際の最も確実な判断材料の一つが、過去の制作実績です。実際に制作されたホームページやその他のコンテンツを通じて、会社の技術力やデザインセンス、さらにはクライアントとのコミュニケーション能力を判断することができます。特に、あなたの業界や類似のサービスに関する実績がある場合、その会社は業界特有のニーズやトレンドを理解している可能性が高いでしょう。ポートフォリオの中から気に入ったサイトやデザインがあれば、その背景や制作時の課題など詳しいエピソードを聞くことで、制作会社の実力や対応力をより深く知ることができます。

まとめ

今回はホームページ制作を依頼するまでの流れや、依頼する際に必ず確認しておきたいポイントについて解説しました。ホームページの制作をスムーズに進めために確認すべき点は多いですが、ポイントを押さえて適切な準備を行うことが大切です。

制作会社の選定に関してはある程度の経験が必要となりますが、本記事で紹介した内容が参考になれば幸いです。

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